1.神様のお食事をつくる
我々が毎日食事をするように、神様にもお食事を差し上げます。
そのお食事の事を「神饌」と呼びます。古代、日本人は農耕民族でした。
太陽をいっぱいに浴びた穀物とりわけお米は生きていく上で大切な食べ物で大事にされました。そこで自然の恵みは神様のお恵みとの信仰が生まれました。一般的に「神饌」の内容は、その昔から大事にされていた「米」、米からできる「酒」・海から取れる貴重な「塩」・そして大地の恵みの「水」をお供えします。お祭りの日には、それに加えて餅・鯛・乾物・野菜・果物などをお供えします。
2.神主さんって朝が早いイメージだけど何をしているの?
我々神職は毎朝朝拝を行います。まずは自分自身また神社が清浄でなければいけないので、お祓いとお清めをします。
その後、一日の始まりに神様にお食事(神饌)を差し上げて、皇室がいつまでも栄えるように、それから日本国の安泰
とさらには、氏子崇敬者の安全をお祈りします。
3.御社殿や境内の掃除が大切なのです
神社も神様の家ですから常に清らかでないといけません。鎮守の杜を守り自然と人間がともに生きてゆくことが大切です。
そして神様を祀る環境として清浄を尊び清らかに保つ。そうすることで神様に喜んでもらえて、また参拝者の皆様が気持ち良くお参りができるわけです。
4.神主さんの忙しい1日
神社は午前中が忙しいと思われがちですが、午後も御祈祷や外祭(地鎮祭や家のお祓い)、掃除や夕拝、一日の締めなど
やることがいっぱいです。また落ち葉清掃、草抜き、お守りやお札の頒布、御札作り、御朱印も書きますので意外にや
ることが多いのです。
5.神様へのお供え その後どうなるの?
朝一番に神様へお食事(神饌)をお供えします。またお祭りでは神職からだけではなく、参拝者からも季節の旬な野菜や果物などがお供えされます。それらは、お祭り後に神職をはじめ氏子や参列者の方々で戴きます。これを「直会」といい、祭典を構成する一つの行事であります。
6.神主さんの袴の色は意味があるの?
神職の身分を表しています。階級は「特級・一級・二級上・二級・三級・四級」の六等級に分かれています。特級は白袴に白地の紋、一級は紫袴に白地の紋、二級上は紫袴に薄紫の紋、二級は紫袴、三・四級は浅黄袴となります。神職としての経歴や地位、功績などに基づいて決められます。
また、神職になる為に資格が必要となります。資格(階位)は「浄階・明階・正階・権正階・直階」の五つがあります。これらの階位を取得して神社に奉務をしています。
7.どんな御祈祷・お祓いがあるの?
御祈祷とは参拝者のお願い事を神主が神様にお伝えする儀式です。
代表的なものに「安産祈願」「初宮詣」「七五三」「厄祓い」「年祝」等があります。それぞれ人生儀礼では欠かせないものですが、他にも建築の際の「地鎮祭」、家の引っ越し前のお祓い「家祓い」や車を買ったときの「車祓い」船や海事関係の「海上安全」等々多数あり、それぞれの願い事を神主が祝詞を奏上して神様にお伝えします。また「神前結婚式」や「神葬祭」といって葬儀も行います。
安産祈願:妊娠5ヶ月目の戌の日に腹帯をお祓いして更には元気なお子様が産まれますようにと御祈願をします。
犬が安産で多産なのでそれにあやかったといわれております。
初宮詣:お子様の御誕生後に初めて氏神様にお参りことでこれからの健やかな御成長を御祈願します。
生後、男児は32日目 女児は33日目にしますが100日の所もあります。また30日は鳥居まで、100日は御社殿で御祈祷とする地域もあり地域によって様々ですので、まずはお参りをする神社の神職さんにお尋ねをしてみましょう。
8.どんなお祭りがあるの?
古来より稲作を営んできた日本人。お祭りの大きな流れも稲作に深く関係しています。
春は五穀豊穣を祈念するお祭り「祈年祭」夏は半年の穢れを祓う「大祓」秋は収穫することが出来たことに感謝するお祭り「新嘗祭」。冬は一年間無事に過ごせたことに感謝し、また新たな一年が良い年になるように祈念するお祭り「歳旦祭」「元旦祭」があります。また各地域ゆかりのあるその時々の時期には、神輿や伝統芸能が披露されることもあります。
1.必ず神社の入口に鳥居があるよね
神社の地図記号にも使用されている鳥居。神社の内と外の境、聖域との境に建てられることが多く神社を象徴するものです。お社だけではなく、山や岩、滝などを神様としてお祀りしているところには、その前に建てられることもあり神様の存在を現すものとされます。
神話の中で、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸にお隠れになった際に、八百万の神が鶏を鳴かせましたが、この時に鶏が止まった木が鳥居の起源とも言われます。
2.色んな動物が境内にいるのです
狛犬。それは社殿前や参道などに置かれた一対の獅子型像で高麗犬、胡麻犬とも表記します。社殿に向かって右側の、口が開いている方を阿形阿形と言い、左側の口が閉じている方を吽形と言い、「阿吽」を表しています。邪気を入れないようにお社の守護の意味があるといわれています。
ちなみに神社によっては狛犬ではなく、狐や牛などの場合もあります。それらを「眷属」と言います。神の使いという意味です。代表的な物に、狐は稲荷神社、牛は天満宮。他にも猿、鹿、亀、猪、狼、カラス、ウサギ、蛇など様々です。
3.呼び名も作法も正直知らないよね
神社に入ると「手水舎」があります。「手水」とは手と口を水で洗い清め、心身をきれいな状態にすることです。昔は参拝をする前に川や海に浸かって穢をお祓いする「禊」を行いました。現在ではそれを簡略化したものと言われています。
手水にも作法があります。まず右手で柄杓をもち左手を洗います。次ぎに左手で柄杓を持ち右手を洗います。それから柄杓を右手に持ち替えて左手で口をゆすぎその左手を改めて洗います。
4.紙でできたヒラヒラの・・・あれ何?
注連縄についている紙を紙垂と言います。
神社や神棚などに見られるように、神聖な区域に懸け渡し、聖域を区切る結界の役割があります。これより先は、神聖・清浄であることを示しているのです。境内では御社殿はもちろん、社務所や授与所、手水舎から御神木等、様々な所につけられています。
5.なんとなくお賽銭を投げるけど・・・
神社にお参りすると拝殿の前には賽銭箱が置かれていますが、そもそも「賽銭」にはどういう意味があるのでしょうか。賽銭の「賽」とは、“神様へのお礼”を意味し、もともとは、願い事がかなったお礼参りの際に、「報賽」として神仏に奉った金銭のことをいいました。
それ以前は、お米を神前にまく「散米」や、洗ったお米を紙に包んでお供えすることが行われていました。それが金銭の流通によって「散銭」となり「賽銭」となったといわれています。
つまりお賽銭は、神様へのお願いのためだけでなく、感謝・お礼の気持ちを表すものであります。
6.頑張ってならすけど・・どんな意味が?
神社にお参りをした時に社殿前で振り鳴らす鈴。これは、その清々しい音色で参拝者の心を祓い清めるとともに、神様にそのお力の発動を願うものです。
また、巫女舞の際などに使われる神楽鈴も同様であり、神楽舞の後に参拝者に対して行われる鈴振り行事も祓い清めの意味があります。ちなみに、神楽鈴のかたちは、その昔、天照大神様が天岩戸にお隠れになった際、天鈿女命が招霊の木の枝を持って舞ったことがその起源であるといわれています。
7.ここで覚えよう参拝作法「二拝二拍手一拝」
参拝の作法として最も一般的なのが「二拝二拍手一拝」です。「拝(はい)」は会釈とは違い、90度まで深々とお辞儀をします。
①まず姿勢を正したら、「二拝」、すなわち2回深々とお辞儀をします。
②次に「二拍手」。胸の高さで両手を立てて合わせ、右の掌を少し引き、両肩ほどの幅に両手を広げます。そして2回両手を叩きます。
③最後に「一拝」。一度深々とお辞儀をします。
なお、出雲大社の二拝四拍手一拝など、神社によって参拝作法が異なる場合があります。また鳥居をくぐる時にも軽く一礼をしましょう。
8.御神木ってどんな木?
主に、御神体として祀られている森や木。また信仰の対象となっている樹木です。神様の依り代、神域、結界を指します。
境内でよく目にする代表的な樹木では「杉」「松」「楠」「イチョウ」などです。また天満宮では「梅」が御神木として大事にされています。とりわけ樹齢が長く大きな樹木には注連縄が巻かれ紙垂が付けられていますので御神木だとよくわかります。