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去る令和六年三月七日・八日、北海道札幌市にて令和五年度神道青年全国協議会中央研修会が開催され、全国から約三百名が集まるなか、当会からは野口貴令会長・田窪大朗監事・柳原永祥監事・野口秀文会員の四名が参加しました。


 研修は「未来への礎~青年神職に伝へたいこと~」を主題として三題の講演を中心に行われ、第一講では作家・ジャーナリストである門田隆将先生より「私たちは『国家の難題』をどう考えるべきなのか」と率直に題してお話しいただきました。

2022年4月に開始されたロシアによるウクライナ侵攻は国際秩序に大きな変容をもたらしました。不確実性の高まる国際社会において我が国はどのような地位にあり、どのような道を辿ろうとしているのか。持ち時間も足りないとばかりにさまざまな事例を挙げて、「国家の難題」がいかに現実的かつ差し迫ったものであるかを語る様子は、弥が上にも自らの役割に対する覚悟を新たにさせられるものでした。


 第二講では上川大雪酒造代表取締役社長の塚原敏夫先生に「共感と共創・地域連携の力で道を拓く」と題し、日本酒を活用した地方創生についてお話しいただきました。大雪山の天然水と北海道産の酒造好適米で造る日本酒を「民芸品」になぞらえて町全体が当事者となるストーリーを作り、地域そのものをブランド化して価値を向上させる。地方創生の手本ではないでしょうか。また北海道上川郡上川町
に酒蔵を造るべく、休止していた三重県の酒蔵を移転したという設立の経緯にも興味深いものがありました。


 第三講では、平昌オリンピック銅メダリストでありカーリングチーム「一般社団法人ロコ・ソラーレ」代表理事の本橋麻里先生より、「ゼロからのチーム作り~常呂から世界へ~」と題し、ご自身の経歴を振り返りながら、現在に至るまでの価値観の変化や周囲の環境の変化を、契機となったエピソードを交えてお話しいただきました。中でも、強豪スウェーデンの選手たちが出産育児をしながらトリノ、バンクーバーと連覇した姿に感銘を受け、「カーリング人生も自分の人生も楽しめるようになりたい」と強く思ったというお話は特に印象的でした。
 いずれの講演も意義深く、また研修会全体を通じて主管を務める北海道神道青年協議会の方々の熱意や思いやりを感じられた、非常に充実した二日間となりました。


 来年は神宮研修会として伊勢の神宮での開催となります。その特別な機会をより多くの方々と共有できるよう期待します。