活 動

令和五年二月十二日、愛媛県神道青年会再発足五十周年事業である『沖縄県戦没者遺骨収集事業』が、沖縄本島南部の糸満市荒崎海岸に於いて開催されました。

活動内容は、特定非営利活動法人JYMA日本青年遺骨収集団様の活動に、当青年会員六名が参加し、沖縄戦の犠牲となった方々の御遺骨を見つけることです。初め、この事業の案内が手元に届いたとき、二泊三日という日程と活動内容の厳しさにためらいもありましたが、戦争について、子供たちに伝えていかなければならないという使命感も強く感じました。恐らく、子供の頃、長崎の祖母から原爆の実体験を、叔父から松山が空襲を受けた日のことを何度も聞かされたことが、大人になった今もずっと心に残っているからだと思います。わたしも自分の目で見たものを子供たちに残したいと思い、事業への参加を決めました。

前日の夜に沖縄に到着し、十二日は朝から現地に入りました。JYMAの皆様と自己紹介を交わした後、作業地点へ案内されました。そこは、頭上にガジュマルの地上根が生い茂り、足元にはこの地特有の石灰岩が広がり、自然の荒々しくも美しい光景が広がっていました。到着した作業地点は、今まで行われた調査によると、二柱の御遺骨が地中にあるとされており、今回は更に掘り進め、一片でも多くの御遺骨を見つけることが目標でした。
見つかる部位によってはDNA鑑定が可能となり、身元が判明するということを知り、一片も見逃さないようにと気持ちを引き締めました。前日からの雨により、土が粘土になっていたため、掘る作業も、ふるいにかける作業も思うように進まず、大変な作業になりました。午後四時まで掘り続け、班の皆で幾つかの骨片を集めることができました。ここから何かに繋がっていくことを願います。
今回、JYMAの方々と活動を共にし、その熱い思いを学ぶことができました。また、今回の活動で見つかった御遺骨の状態から、火炎放射器などが使われていたことを知り、この地に追われた人々を思い胸が痛みました。七十余年後の現代に同じ地を踏み、賛華された英霊たちを思ったこの時間は、忘れられないものとなりました。
翌日、愛媛に帰り、娘に話を聞いてもらいました。小学校六年生の娘は、ちょうど沖縄戦を教科書で学んだばかりだそうで、関心を持ってくれました。教科書にはたったの一ページしか書かれていない沖縄の戦争ですが、それ以上のことを伝えられたと思うので、わたしの小さな目標は達成となりました。わたしたち青年は、いろいろな面で、きちんと受け継がなければならない時が来ています。今後もこのような事業があれば、皆で参加しませんか。

(愛媛県神道青年会 会員 権名津 幾江)